第2回で試しに作成したサンプルのソースコードに話を戻しましょう。これは下のリスト欄のようなものでした。C#のソースコードのもっともシンプルな利用例といってよいでしょう。
このソースコードは、いくつかのC#に必要な要素によって構成されています。その基本的な形を整理すると、以下のようになるでしょう。
・C#ソースコードの基本形using パッケージ;
namespace 名前空間
{
class クラス
{
……メソッドの定義……
}
}
このソースコードは、「
using文」「
名前空間」「
クラス」「
メソッド」といったもので構成されていることがわかります。これらを理解しソースコードを記述することが、C#のプログラミングなのです。では、これらの基本的な役割を整理していきましょう。
・using文これは、このソースコードで使用する「
クラス」が保管されている場所(パッケージ)を指定するものです。
C#では、すべてのプログラムは「
クラス」と呼ばれる形でまとめられています。クラスについては後述しますが、このクラスというものを組み合わせて様々なことを行っていくのです。
C#には、膨大なクラスが用意されています。それらは「
パッケージ」というものを使ってジャンルごとに整理されています。これは、ファイルがフォルダを使ってまとめられているのを想像すればよいでしょう(クラス→ファイル、パッケージ→フォルダ、と考えてください)。このためクラスを使うときには、「
○○パッケージの○○クラス」というように書かないといけないわけです。
でも、これは正直、かなり面倒くさい。そこで
usingが用意されました。「
usingというのでパッケージを指定すれば、その中にあるクラスはクラスの名前だけで使えるようにしますよ」ということなのです。
・名前空間クラスはパッケージというもので整理されているといいましたが、ここで作っているクラスも、やっぱりどこかのパッケージにまとめておくことになります。それを記述するのが「
namespace」です。「
namespace myapp」とすれば、「ここで作るクラスは、
myappというパッケージに保管されますよ」ということを示します。
この
namespaceは、その後に
{}記号があり、この{}の中にクラスの定義を記述するようになっています。
――ここまではプログラム本体の「下準備と入れ物」の部分といってよいでしょう。この
namespaceの中に記述されるのが、プログラムの中心部分といってよいでしょう。