さあ、ようやくEclipseでWebアプリを作る作業に入ります。Eclipseでは、プログラムの開発を行うときには、まず「プロジェクト」というものを作成します。これを作りましょう。

プロジェクトというのは、作成するプログラムで必要となるさまざまなものをまとめて管理するためのものです。プログラムの作成では、たくさんのファイルを作りますし、またさまざまな設定などをしたり、必要となるライブラリを登録したり、いろんな情報を管理していかないといけないのです。それらをあちこちに記録して開発者が自分で管理するのは大変なので、「プロジェクト」という形ですべてを一括管理できるようにしているのですね。では、また手順通りに作業をしていきましょう。

1. <File>メニューの<New>にあるサブメニューから<Project...>を選びます。

2. ダイアログウィンドウが現れ、 「Select a wizard」という表示が現れます。ここで、作成するプロジェクトの種類を選びます。GAEでJava開発を行う場合は、「Google」というフォルダ内にある「Web Application Project」というものを使います。これを選択し、「Next>」ボタンで次に進みます。

3. 「Create a Web Application Project」という画面になります。ここで、作成するプロジェクトの設定を行います。これがプロジェクト作成のポイントとなるので、よく内容を確認して設定しましょう。

Project name――プロジェクトの名前です。これは、先ほどGAEサイトで作成したアプリの名前とは関係ありません。好きな名前をつけてOKです。ここでは「MyGaeApp」としておきましょう。

Package――これは、作成するJavaクラスで使用するパッケージを指定するものです。これは、それぞれで適当に設定して構いませんが、とりあえずここでは「com.tuyano.libro.mygaeapp」としておきます。

Location――プロジェクトを配置する場所の設定です。デフォルトでは「Create new project in workspace」のラジオボタンが選択されています。ワークスペース内にプロジェクトを保存するということですね。これは、このままにしておいてください。

※Google SDKs

Use Google Web Toolkit――これは、Googleが提供する「Google Web Toolkit（GWT)」というフレームワークを利用するかどうかを指定するものです。これをONにするとGWTを使ったアプリになります。GWTはAjaxベースでサーバ間のやり取りをするもので、ファイルやプログラムの構成も複雑となり、利用には一定レベル以上の知識が要求されます。ここでは、サーバーサイドJavaの基礎を勉強するのが目的ですから、ここではチェックボックスを「OFF」にして、GWTを使わないようにしてください。

Use Google App Engine――これが、「Google App Engine」を利用するためのものです。チェックをONにすれば、GAEを利用する形でプロジェクトが作成されます。これは必ず「ON」にしてください。

・Use default SDK――「Use Google App Engine」をONにすると、その下にこのラジオボタンが表示されます。これは、デフォルトで設定されているSDKを利用するものです。これは、そのままにしておきます。

Google App Marketplace――Google Appマーケットプレースのサポートに関するものです。「Add support for ……」というチェックボックスがありますが、これをONにしておくと、マーケットで公開し配布するための仕組みが用意されます。ここでは「OFF」にしてください。

Sample Code――最初からサンプルとしていくつかのソースコードやファイルなどを用意しておくためのものです。「Generate project sample code」をチェックするとファイルが生成されます。これは「ON」のままでいいでしょう。

――以上を設定し、「Finish」ボタンを押せば、プロジェクトが作成されます。

※図は、Create a Web Application Projectの画面。